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校長挨拶・理念

MESSAGE

学校長より

『便利さの落とし穴』

森 章 校長

 

覚えることの退化の始まり

誰かに電話をしなければならない、しかも使える電話は固定電話、さらに携帯スマホは持ち込み禁止。こんな状況で電話を操作しメモや手帳を見ずに、何人までなら電話をかけられますか。つまり頭で電話番号を覚えている人が何人いますか?という質問です。

高校生だと親友と両親ぐらいかもしれません。大人になると妻や夫ぐらいでしょう。会社の上司や昔の友人は覚えていない人も多いと思います。

どうして家族や同僚、友人、さらには取引先やお世話になっている方の電話番号を覚えていないのでしょうか。

答えは簡単です。その方に電話をするときにメモや手帳を見ながら、ボタンを押す作業をしていないからです。手帳を開き、眼で確信して、指先を使ってボタンを押す…この作業で相手の方の電話番号を自然に覚えるのですが、スマホが普及した今は、電話をするときには名前の一覧を表示して、そこにある名前を押せば電話番号を確認しなくても相手に繋がりますから、頭で覚えていないのです。

でももしも出先でスマホがなくて、緊急に家族や友人、取引先に電話をしなければならない状況が起きたならば、連絡はどうするのでしょうか。最悪の場合病院に搬送されても、家族も友人も誰も判らない、が続くこともあるのです。便利さを追求するあまり、非常時に必要な大切な人の電話番号さえスマホに登録したから安心だと思っている人は多いのです。

 

この漢字はどう書くの

さらにパソコンやスマホでメール・ラインを交換する時代です。かなりの枚数になる文章も画面を通して作成して、配信しています。かなり難しい表現で漢字も使いこなし、時にはイラストや絵文字も組み入れてこりに凝った文章の出来上がりです。

ところが画面を通さず、紙に手書きで文章を書くとなった時に、書き始めた漢字の微妙なところが判らない!忘れた漢字が多い!こんな思いをする人は多いのです。小中学生の頃に習った文字でさえ、パソコン・スマホで文字を書かずに画面に打ち込んでいる間に、覚えていた漢字が音を立てて流れ出し記憶から消えているのが今だと思います。まだ覚えていない小中学生、覚え途中の高校生が画面の漢字を選んで変換していては、忘れるどころか覚えることさえ頭から消えるのです。電話番号が覚えられない、読めても書けなくなった漢字が増えてきたのは、探し物が指の感覚で画面を検索・変換すると即座に出てくるから、頭が覚えなくてもいいと退化してきている証です。

 

記録と知識はスマホ

さらに予定表・預貯金の残高や各種支払い・電車やバスに乗るときの定期券・通販での発注・辞書や百科事典代わりなど、自分の頭で記憶していなくてもスマホで調べれば大丈夫だからと完全に依存体質になっているのです。

講演会や授業の板書を書き写さないで写真に残す人も多いようです。博物館や絵画展に行っても、時間をかけて見学をするより展示物や絵画を写真に撮って記録している人も多いと聴きます。でも不思議な、いやもっともなデータがあるようです。しっかり板書を見てノートに書き写している学生と、写真に撮って必要な時には板書を後で見ることが出来ると思っている学生では、圧倒的に板書を書き写している学生の方が成績が良いのです。絵や展示物を見たつもりで写真に撮っていた人は、どの作品や展示物があったのか覚えていないと研究発表した脳学者もいるのです。

知っているつもり、判っているつもりでもスマホを見なければ思い出せないから、つい何時でもスマホを持ち歩くようになってしまったのです

本当は人が覚える事柄を、便利さを追求するあまり覚えようとしない、機械任せの時代になってしまいました。

 

待つ・考える・ドキドキする

便利なスマホは何時でも・何処でも・誰とでも連絡ができる便利なものだと思います。しかも連絡したいと思う相手に間違いなく繋がるのですから、こんな便利なものはないのです。

でも、手紙なら書きながら漢字を調べ、丁寧に書き上げ投函すれば読み手にも心が伝わるのです。返事が届くまで何日も、今日は届くか明日は届くかと不安と楽しみで待つのです。

固定電話が主流の時代は、いくら腹が立っていても自宅に戻るまでの時間でお互いに頭も心も冷やされて冷静な判断がつきますから、電話をする頃には互いに「さっきは悪かった。ごめんなさい」と素直に謝れたのです。まして異性の友達に電話をしようとすれば、誰が出るのかお父さん?お母さん?その時は何を話したら印象が良くなるのかとドキドキしながらダイヤルを回した時代は、時間帯まで考えていたのです。

コロナ感染予防で会議もリモート、大学の授業もリモートで行い、仕事もテレワークが推奨されています。確かに便利な時代ですが、家は大工さんが建てるのです。お米や野菜は農家や企業が栽培し、魚介類や海藻は漁師さんが獲るのです。病気になれば医師や看護師さんが治療してくれるから手当というのです。赤ちゃんはお母さんやお父さんに抱っこされて、ミルクを飲み、眼と眼を合わせるから笑って眠るのです。励ましや慰めもメールより手紙や電話の方が嬉しいのです。それよりも直接会って励まされ慰められたらもっと嬉しいのです。

便利さの落とし穴に落ちないように、考える・待って見る・ドキドキする時間を大切にしましょう。

(令和3年7月)

                                                                                                                                                                 

『3つのタイ』

幼い子どもから大人・老人にいたるまで、人は心という大海で三匹のタイを飼っています。

このタイを上手く釣り上げてくれる人がいたときに人は充実した気持ちで生活が出来るのです。

一匹目は、褒められタイ。

二匹目は、認められタイ。

三匹目は、人の役に立ちタイ。

いかがでしょうか?家でも学校でも職場でも、心の奥底の大海に住んでいるタイを、誰かに釣り上げてもらうと、人は喜び勇んで頑張るものだと思います。

笑顔で挨拶ができた・綺麗に掃除をした・幼い妹弟と仲良く遊んであげた・家のお手伝いをした…この瞬間にお父さんやお母さんが褒めると、その子の《褒められタイ》が見事に釣りあげられましたので、大満足な気持ちになり顔も明るく晴れ晴れとした爽やかさが広がって見えるものです。不思議なことに一匹目の《褒められタイ》は、成長し高校生になっても社会人になっても、やがて親となり社会的な立場や名誉を手にしても心の中で泳いでいるのです。

成長をし続ける人たちは、この《褒められタイ》を釣られ上手であったり、釣りあげ上手な人なのだと思います。

 

二匹目の《認められタイ》も同じです。何をしても駄目だね・私がやるから貴方は向こうに行っていて邪魔だけはしないでね・君いたんだね・気がつかなかったごめんなさいね、などと言われれば誰でも腹が立つし、かなり落ち込みもすることだと思います。時には、この場所は自分の居場所ではないと考えます。さらに俺(私)なんか居なくても、誰も心配もしない存在なんだと自分を嫌いだすのが最近の傾向だと思います。

ところが貴方のことを見込んで「お願いします」と言われ、真っ先に相談をされ頼りにされると、人から認められた・自分を認めてくれていると感じるものです。学生や生徒が部活動でレギュラーになり主将や部長に選出されたり、社会人が重要な仕事を任されたりすると、想像以上のプレッシャーはあるものの、周りから見ても躰が一回り大きくなったように見えるのは、人から《認められタイ》が見事に釣りあげられた喜びと自分自身の自信の証なのです。

すると、それまでの落ち込み暗かった性格が、嘘のように明るく積極的になった人は数多くいるのです。《認められタイ》の釣り上手な人を【人たらし・人使いの魔術師】とでも言うのかも知れません。釣られ上手な人は使われ上手な人で、周りから大切にされる人になります。

 

次は三匹目の人の《役に立ちタイ》です。

人に《褒められタイ》で大満足した人・人を褒めて大満足した人。人に認められて大満足した人・人を認めて大満足した人。これらの人は自分も成長するし、相手も成長させることが出来たと感じます。また思えば思われる・助ければ助けられると前向きになり、人のために世の中のために《役に立ちタイ》というタイが元気よく泳ぎだすのです。

紅陵生の諸君!褒められ認められたら、人のため世のため国のために頑張ってみませんか。紅陵高校の建学の精神は『人生開拓』です。この『人生』という字をバラバラにして解釈すると、このような読み方が出来るのです。『人として生まれ・人として生き・人を生かし・人に生かされ・人を生む』と読めませんか。《褒められタイ・認められタイ・人の役に立ちタイ》が、『人生開拓』の中に泳いでいます。

(令和3年3月)

 


『コロナの時代だから』

中国武漢市で最初に確認された“新型コロナウイルス”は瞬く間に世界中に感染拡大し、ウイルスの性格も変化しているとの報道がなされています。やっと海外の製薬会社がワクチンの開発に成功し、日本の製薬会社でも効果が期待できる薬の開発が進んでいるとの情報には安ど感が漂います。

ただ気になるのは、以前からも心配していたことですが、人と人との関係が薄くなり(互いに助け合う・寄り添う・黙って手伝う・相手を思いやる・皆で協力する)など日本人の美徳の一つが失われつつあることです。

もう一つは、大人でも子どもでも鍛えられない社会の出現です。一昔前旅行に行けば(根性・友情・忍耐・我慢)などと書かれた土産品が並んでいたのです。アニメやドラマも、弱小チームに明るい部員が入部して、そこに鬼のような教官が赴任し喧嘩あり・涙あり・信頼あり・でやがて勝ち上がる。または破産寸前の会社を努力と忍耐で、新しい特許を取得して立て直す。そんな内容が多かったのです。最近は刑事・医療・恋愛ドラマか無難な旅番組やクイズ番組が流れて『今は辛くても厳しくても我慢して頑張れば明日は太陽が昇ってくる』との日本人の気質の良さが失われつつあることです。

そこで考えたいのは『桜の綺麗さ』と『スポーツの感激』です。花屋さんの店先には何とも言えぬ綺麗な花が美しさを競って並んでいます。人が丹精を込めてハウスの中で温度の調整から、肥料や消毒そして水や光の管理までも手をかけ時間をかけて育てたのです。この綺麗な花を、足を止めて買い求める瞬間の幸福感は、他の買物とは違った嬉しさがあるのです。

でもどんなに綺麗な店先の花でも、春に咲く桜には勝てない気がします。開花の予想も桜だけ・花見と言えば桜をさし、満開の様子は春爛漫と呼び人々はウキウキしながら開花を待ち望むのです。桜が咲けば「ウワ~綺麗!・春が来た!」と感嘆の声をあげるのです。

どうして桜は綺麗なのでしょうか?調べてみました。驚くことに秘密は冬の寒さにあったのです。さらに調べると、桜の名所と称される所は山間部や関東・北陸・東北に多いのです。やはり温暖な地域と言うよりは、寒さが厳しいところです。さらに調べると葉を落とし、冬を迎えた桜は、寒さに耐えながら開花の準備をするのです。寒い時期に花芽が眼を覚ますと、桜は一生懸命に花芽に養分を送り出します。そのときに寒ければ寒いほど桜は耐え忍び頑張るそうです。やがて陽射しが長くなると、寒さに耐え忍んだ桜は力の限り花芽を一斉に開花させます。土手などの桜並木は淡いピンク色のトンネルとなり、淡い色に染められた公園や山は、大勢の人が集い楽しい宴が始まるのです。

桜が綺麗なのは『厳しい寒さに耐え忍んだ忍耐力』そのものなのです。

 若者が公園や体育館で運動をしています。ときはランニングしている姿を眼にすることがあります。でもその時に足を止めてまでは真剣に視ていないのです。『皆で練習しているナ』で終わってしまっているのかも知れません。

 でも昨年のラグビーWカップ・大学駅伝・高校野球や他の競技でも、ルールは知らない・経験もない・実際に競技場で見学したこともなくてもTV観戦しながら、手を握り締めハラハラドキドキ負ければ声を出してガッカリし、勝てば自分が勝ったような気分で歓声を上げて感激の渦に飛び込む人は多いのです。

どうして人は同じスポーツをしている人を視ているのに、違う感情になるのでしょうか?

それは今まさに真剣に勝負をしている若者が、この舞台にたどり着くまでの間、もの凄く辛い練習に耐え忍び、怪我を乗り越え、人間関係に悩みながらも、諦めず・前向きに・真剣に・自分のプライドもあるがチームのため、親や指導者や日本のためと言葉にして、一歩一歩まえに出る姿に感動して感激するのだと思います。

*人が桜の花を綺麗だと感じるのは、桜が寒い冬を乗り越えたからです。

*人がスポーツで感動するのは辛さを乗り越え限界に挑戦して、前向きに頑張っているからです。

話しを戻します。

いまコロナ感染拡大の予防から人の集まりが制限されています。感染は抑えなければなりませんが人が人間らしく成長して、協力したり・相手を思いやったり・助け合ったり・寄り添うことが出来るようにするためには、相手の顔を視て・話を聴いて話をして・我慢したり・失敗したり・褒められたりしながら人の温もりがないと駄目なような気がします。それは赤ちゃんの成長が、お母さんやお父さんの抱っこから始まるのと同じです。TV画面のリモートでは駄目なのです。

同時に親が子どもを・教師が児童生徒を・先輩が後輩を・経験者が経験のない人に・仲間同士でも事の善悪を教えていない状態にある気がしています。悪さをしても人に迷惑を掛けることをしても[悪気はなかったのだから][これくらいは良いだろう]と優しさだけが前面に出てしまう時代になってきているようです。世界が日本を尊敬し憧れたのは、優しさに溢れたことではなく会津藩の教えではありませんが『ならぬものはならぬものです』つまり『駄目なことは駄目なんだ』と善悪をしっかり教えた鍛え方があったからです。一見厳しいように思える接し方の向こうに、本物の優しさがあるとは思いませんか。

(令和2年12月)

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HISTORY
OVERVIEW

沿革・概要

概要

校 名

拓殖大学紅陵高等学校

理事長

鎌田 淳一

校 長

森 章

所在地

〒292-8568 千葉県木更津市桜井1403
TEL 0438-37-2511 FAX 0438-36-7286

生徒数

1286名(男子842名/女子444名) ※令和3年4月1日現在

教育理念

「人生開拓」の教育理念のもと、益々多様化する社会と国際情勢の中で自らの人生は自らの手で拓き、どんな逆境にも耐えうる強い精神を持って、21世紀に活躍する若者達に希望と目的をもたせ、「文武両道」を、目指し大学進学,クラブ活動の振興充実を主たる教育目標としてかかげている。

校 訓
  1. 国を愛し、郷土を愛し、親を敬う。
  2. 信義、友愛、礼節を守る。
  3. 学問を尊び、心身を鍛える。
教育目標

◇知・体・徳の調和と統一の取れた人間形成を目指す。
◇自分の持つ力を掘り起土し自らの人生を切り開いていく。
◇人生開拓の精神の育成を目標とする。

校章の由来

もみじの葉に校名の紅陵高を組み合わせた。紅陵とは紅葉の丘の事を言い、すなわち紅葉に映える学園を意味する。

沿革

昭和53年

木更津紅陵高等学校(男子校〉として開校

昭和55年

拓殖大学紅陵高等学校に改称

昭和56年

共学校となる

平成14年

11階建て新校舎完成

AFFILIATED
SCHOOL

系列大学について

拓殖大学への優先入学について

本校では、系列校として、拓殖大学・拓殖大学、北海道短期大学への優先入学制度を実施しています。

国際大学のパイオニア=拓殖大学

本校の系列校である拓殖大学は、1900年の創立以来、国際大学のパイオニアとして国際交流を推進してきました。
商学部・政経学部・外国語学部・国際学部・工学部を擁し、国内大学最大数の留学生が在籍、多彩な留学制度と14カ国語もの多彩な語学教育が行われており、世界で活躍する国際人を育てています。